技能実習から特定技能1号へ|試験免除の条件

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技能実習の修了だけで、すべての試験が免除されるわけではない

技能実習を終えたら、試験を受けずに特定技能1号へ移れるのでしょうか。答えは「修了したというだけでは決まらない」です。技能実習2号を良好に修了していることに加え、技能試験の免除では、実習した職種・作業と、これから従事する特定技能の業務との関連性が重要になります。

ただし、技能試験と日本語試験は、免除の考え方が同じではありません。「関連する仕事でなければ、両方とも受験が必要」と考えるのも正確ではないのです。まずは二つの試験を分けて整理すると、移行の準備が見えやすくなります。

免除の判断を支えるのは良好修了と業務の関連性

良好修了は、単に実習の終了日を迎えることではない

出入国在留管理庁の「特定技能制度に関するQ&A」では、技能実習2号を良好に修了しているとは、技能実習を計画に従って2年10月以上修了していることと説明されています。

そのため、本人も企業も「技能実習を何年したか」という記憶だけで話を進めず、計画に沿った実習の状況を資料で説明できるかを確かめておきたいところです。期間の確認と、修了状況を示す資料の準備は、セットで考えると整理しやすくなります。

技能試験は関連性、日本語試験は対象となる能力水準も確認する

同庁のQ&Aによると、技能実習2号を良好に修了し、移行先の業務と実習の職種・作業に関連性が認められる場合は、技能及び日本語能力の証明が免除されます。技能実習2号を良好に修了していても、従事しようとする業務と実習の職種・作業に関連性が認められない場合は、技能の証明のために技能試験への合格が求められます。

一方、日本語能力水準が「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験N4以上」である分野・区分については、技能実習2号を良好に修了していれば、原則として実習の職種・作業にかかわらず日本語試験が免除されると説明されています。日本語試験の免除まで、業務の関連性だけで判断しないことが大切です。

過去の修了歴を使う場合は、この取扱いも確認対象になります。

技能実習法施行以前の「技能実習」等を良好に修了した人は、令和9年4月1日以降に上陸許可等を受ける場合、技能試験と日本語試験の両方に合格することが必要です。

移行先を決める前に、本人の実習と企業の仕事を並べる

関連性を確認する際は、本人が技能実習2号で実習した職種・作業と、採用後に担当する特定技能の業務区分を照合します。入管庁のQ&Aは、試験免除となる業務区分との関連性について、同庁の制度説明資料を参照するよう案内しています。また、在留資格「特定技能」の案内では、従事できる業務は各分野の「特定の分野に係る要領別冊」で確認するよう示されています。

準備の際は、次の三つを同じメモに並べる方法がおすすめです。

  • 本人側:技能実習2号の職種・作業と、良好修了を説明する資料
  • 企業側:採用後に担当する具体的な仕事内容と、対応する特定技能の業務区分
  • 照合結果:公式資料で確認した関連性と、技能・日本語それぞれの試験の要否

例えば、仮に本人が「以前と似た仕事です」と話していても、それだけでは公式資料のどの職種・作業、業務区分に当たるのかが定まりません。企業からも「実際に何を担当してもらうのか」を具体的に出してもらうと、照合する対象がはっきりします。

関連性が認められない仕事を希望する場合も、そこで移行の検討が終わるわけではありません。技能試験への合格が必要になるという違いを踏まえ、本人の希望と受験準備を合わせて考えることになります。

証明資料の準備と申請時期は、実習中から考える

評価調書を発行してもらえない場合の取扱いもある

評価調書を実習先に依頼しても発行してもらえない場合について、入管庁のQ&Aは、提出できない経緯を説明する理由書と、評価調書に代わる文書を提出し、地方出入国在留管理局が良好修了を総合的に評価することも可能としています。代わる文書の例には、当時の技能実習指導員など、実習状況を知り得る立場の人が作成した実施状況の説明文書が挙げられています。

つまり、評価調書がないことだけで直ちに結論を出すのではなく、事情と実習状況をどう説明するかが確認点になります。ただし、代わりの文書を出せば必ず良好修了と認められる、という意味ではありません。

申請の準備と、その後の資料管理をつなげる

同Q&Aでは、技能実習2号の実習中でも在留資格変更許可申請は可能で、必要な書類の準備ができ次第申請するよう案内されています。申請時期を考える際は、現在の在留期限、資料をそろえられる時期、希望する移行時期を一つの予定表に並べると、準備の抜けを見つけやすくなります。

特定技能外国人の受入れに当たっては、外国人と結ぶ雇用契約が適切であることや、受入れ機関自体が適切であることなどの基準も示されています。免除の確認は、移行に必要な確認の一部分です。

申請後も、提出資料の控えと、照合に使った公式資料の名称・確認日をまとめて残すことをおすすめします。担当者が交代したときに「なぜこの業務で免除と判断したのか」を引き継げるようにするためです。許可後の在留期限も、本人と企業の双方で管理する段取りを決めておくとよいでしょう。

技能実習から特定技能1号への試験免除は、「修了した人なら全員同じ」ではありません。良好修了を土台に、技能試験は移行先業務との関連性、日本語試験は対象となる能力水準と免除の取扱いを確かめる。この違いを押さえて移行先を選ぶことが、必要な準備を具体化する出発点になります。申請準備では、最新の公式Q&Aと分野別運用方針・運用要領で、該当する条件を再確認してください。

迷っている段階で、お気軽にどうぞ。

「まず何を確認すればいいか」からご相談いただけます。アークリーガル行政書士事務所が、状況に合わせて次の一歩を一緒に整理します。

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この記事を書いた人

アークリーガル行政書士事務所 代表行政書士 松元竜成

鹿児島県行政書士会所属 登録番号:第26462261号
専門分野:在留資格・内容証明・契約書・AI法務
全国対応

行政手続きの専門家として、正確で分かりやすい情報を発信しています。

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