「ネットで中古品を売る=古物商許可が必要」ではない理由
ネット上で中古品を販売するとき、古物商許可が必ず必要だと受け止められることが多いようです。しかし、実際には許可が不要なケースも存在します。古物商許可の要否は、単に中古品を売るという行為そのものではなく、「営利目的で反復継続して古物を取り扱うかどうか」で判断されます。
一度きりの不用品処分や家の整理などで私物を売る場合に許可が不要かどうかは、個別の状況や判断基準によるため、所管の警察署などで確認することが推奨されます。反対に、仕入れて転売する、同種の中古品を繰り返し販売する場合は、ネットか対面かを問わず古物商許可が求められます。
どんな取引が「古物商許可が必要」なのか?
判断の分かれ目になるポイントは主に3つです。
- 売るものが「古物(中古品等)」に該当するか
- 営利目的で仕入れたり、反復継続して販売したりするか
- 仕入れた商品を何度も売る
- 同じジャンルの商品を複数回販売する
- 利益を目的としている
- ネットショップやオークション、フリマアプリなどECサービスを利用しているか
営利目的・反復継続の判断ポイント
営利目的とは、利益を得る意図があるかどうかで判断されます。たとえば、仕入れた中古品を高く売る、利益を継続的に得る目的で販売する場合は営利目的とみなされます。反復継続とは、同じような取引を繰り返し行うことです。月に数回でも継続して中古品を売っていれば該当する可能性が高く、回数や期間は明確な基準がありませんが「たまたま一度」ではなく「今後も続ける意思がある」場合は注意が必要です。
これらに当てはまる場合は、古物商許可が必要になることが多いです。
古物商許可が必要かどうかは、売るものや取引の目的、販売方法など複数の要素を総合的に判断することになります。たとえば、家電やブランド品を仕入れてネットで転売する「せどり」や、中古品を集めて自社ECサイトで繰り返し販売する場合は、営利かどうかが明確なので許可が求められます。
一方、個人が自宅の不要品を単発でネットで売る場合は、商売として反復継続しているとは見なされません。副業かどうかにかかわらず、同種の中古品を繰り返し販売する場合は許可が必要となることがあります。ここで迷いやすいのが、「たまにしか売らない」「仕入れはしていない」などグレーなケースです。判断に迷う場合は、取り扱う量や頻度、仕入れの有無を整理すると見えやすくなります。
以下は、説明のための仮想例です。
- 家の中の不用品(私物)を1回だけメルカリで売った → 許可不要
- フリマアプリで仕入れた商品を複数回に分けて売る → 許可必要
- 自社サイトで中古カメラを仕入れて販売する → 許可必要
ネット販売特有の注意点と申請手続きの流れ
ネット販売の場合、許可申請時や許可取得後に「URL届出」が必要になることがあります。自社ECサイトやネットショップで売買を行う場合、URLの届出が必要となることがあります。申請時にドメイン契約書など、URLの使用権限を示す資料が求められることがあります。
申請自体は、営業所(多くの場合は自宅や事務所)を管轄する都道府県公安委員会(通常は最寄りの警察署 生活安全課など)に行います。必要書類は主に次のようなものです。
- 許可申請書
- 住民票や本籍地の身分証明書
- 誓約書・略歴書
- 営業所やURLの権限を示す資料(賃貸契約書やドメイン契約書等)
看板や表示のルールも確認しておくと、後から修正を求められにくくなります。
許可を取った後に困りやすいことは?
許可を取得した後も、古物営業法に基づく義務は続きます。特にネット販売の場合、以下のような点で戸惑いやすいです。
- 古物台帳(取引記録)の作成・保存義務がある
- URLや営業所、代表者が変わった場合は速やかに変更届出が必要
- プラットフォーム側にも出店条件や表示義務が存在することがある
帳簿管理や届出忘れは、思った以上に後から指摘されやすい部分です。ネットで複数のショップを運営したり、サイトのURLを変更したときは、公安委員会への届出が必要かどうか、その都度確かめることが大切です。
次に何を確認する?
まずは自分の販売形態が「営利目的で反復継続して古物を取り扱う」ものに該当するかを整理してみてください。迷う場合は、扱う品物や販売方法、仕入れの有無を具体的にメモすると判断しやすくなります。ネット販売を本格的に始めるなら、申請書類の準備と申請先(営業所を管轄する都道府県公安委員会)を早めに確認しておくと、手続きに余裕を持てます。

