令和8年不法残留者数の国籍別動向

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令和8年1月1日現在の不法残留者数――最新統計の見方

出入国在留管理庁が公表した令和8年1月1日現在の不法残留者数は68,488人です。目立つのは、国籍ごとの内訳で上位を占める国々の動きです。全体的には減少傾向が続いていますが、国ごとに増減の幅に違いが見られます。

国籍別の内訳とその意味――主要国に注目すると

令和8年1月1日現在の国籍・地域別不法残留者数の上位は、ベトナム(11,601人、16.9%)、タイ(10,907人、15.9%)、韓国(10,020人、14.6%)、中国(5,827人、8.5%)、フィリピン(4,393人、6.4%)、インドネシア(4,248人、6.2%)、台湾(2,601人、3.8%)、スリランカ(2,091人、3.1%)と続きます。

  • ベトナム:11,601人(前年比-18.9%)
  • タイ:10,907人(前年比-3.8%)
  • 韓国:10,020人(前年比-5.5%)
  • 中国:5,827人(前年比-11.2%)
  • フィリピン:4,393人(前年比-6.2%)
  • インドネシア:4,248人(前年比-8.3%)
  • 台湾:2,601人(前年比-12.8%)
  • スリランカ:2,091人(前年比+2.3%)

逆にスリランカはわずかではあるものの増加に転じています。主要上位国の多くは減少していますが、減少率や人数の規模には国ごとの差があります。この統計だけから、その差の原因を特定することはできません。

国ごとの減少率の差をどう見る?原因を考えるときの注意と仮想例

国籍・地域によって増減率には差が見られますが、この統計だけからその原因を特定することはできません。一般に、人数の増減には送り出し国の制度や日本側の受け入れ体制の変化など、さまざまな事情が関わり得ますが、どの事情がどの程度影響したかは別の資料で確かめる必要があります。以下は説明のための仮想例です。

  • 仮にA国で現地政府が送り出し手続きを厳格化し、不正な仲介業者を取り締まった場合、不法残留者の減少幅が大きくなる可能性があります。
  • 一方、B国では、現地の経済状況が悪化し、帰国を選ばない人が増えた場合、不法残留者数が増加に転じることがあります。

これらは仮定の例で、実際の原因は統計の数字だけでは分かりません。数字の違いから「なぜこの国は減ったのか・増えたのか」を考える際は、原因を説明した公的な資料があるかを確かめてください。

推移をどう読む?過去との比較から分かること

国籍別でも、ベトナムや中国などは令和8年1月1日現在の統計で二桁の減少率が示されています。一方、スリランカのように増加に転じた国もありますが、全体像としては減少傾向が続いています。

過去数年にわたる推移を見ると、令和4年以降はコロナ禍前の水準には戻っていません。実際の推移については、出入国在留管理庁の統計表を年ごとに並べて確認することができます。

統計の数字は何を示している?数字の裏にある「定義」と「集計方法」

ここで扱われている「不法残留者数」は、出入国管理及び難民認定法に基づき、在留期間を経過したまま日本にとどまっている外国人などを指します。この数字は、出入国在留管理庁が各種電算データをもとに算出した概数です。統計表の注記によれば、男女別や国籍別の内訳についても、四捨五入などが行われているため、合計が必ずしも100%にならない場合があります。

また、在留資格の履歴や一時的な資格変更中の状態は、統計の種類によってカウントの仕方が異なることがあります。たとえば、「不法残留者数」は、期限経過後も資格変更中などの理由で合法的に滞在している場合は含まれません。このあたりは、統計の注記や出入国在留管理庁の解説資料もあわせて確認することが大切です。

在留資格や性別の内訳も見る?――どこに注意すべきか

男女別に見ると、令和8年1月1日現在で男性41,067人(60%)、女性27,421人(40%)となっています。令和8年1月1日現在の前年比は、男性が9.8%減、女性が6.5%減で、男性の方が減少率は大きくなっています。

在留資格別の内訳も別表で示されています。技能実習や短期滞在、留学など、どの資格で不法残留となる例が多いかについては、関係する統計表や注記を確認すると、実際の管理や対策の際に役立ちます。

なぜ減ったのか、増えた国は何があったのか

減少傾向の背景について、令和7年の出入国在留管理庁の業務状況資料では、退去強制令書の発付数が増加したことや、「不法滞在者ゼロプラン」などの政策による処理の迅速化が要因の一つとして挙げられています。同資料では、出国命令や送還の件数が増えたことも挙げられています。

一方で、国によっては増加していますが、この点の原因については統計資料だけでは判断できません。入国者数の増減、経済情勢、現地の制度変更など、複数の要因が絡み合っていると考えられます。

数字だけを見て「この国が増えた・減った」と単純に結論付けるのではなく、背景にある制度や実際の手続きの変化も合わせて確認しておくことが重要です。

背景要因を確認するためのチェックリスト

  • 統計資料の注記や定義を必ず読む(集計方法や対象者の範囲に注意)
  • 該当国の現地制度や経済状況の変化を調べる(大使館や公的機関の発表など)
  • 日本側の入管政策や特別措置の有無を確認(発表時期・内容もチェック)
  • 過去数年分の推移を並べて見る(単年の増減だけで判断しない)

これらのチェックポイントを意識して統計を読み解くことで、国ごとの増減の背景をより具体的に理解できます。

知っておきたい確認の流れ――実務で迷いやすい点と対応

企業や個人が在留管理を行う際には、統計から見える傾向だけでなく、実際にどの点を確認すればよいかがポイントになります。特に雇用を検討している場合や、すでに外国籍の方が在籍している場合は、在留カードの有効期限や在留資格の種類、期限の管理が重要です。

  • 雇用前に在留カードの有効期限・資格内容を確認し、写しを保管する
  • 在留期限のリマインド体制を作る(カレンダー記載やシステム利用など)
  • 万が一、不法残留の疑いが生じた場合は、最寄りの地方出入国在留管理局や行政書士に相談する

これらは、実際にトラブルが起きる前に、確認と体制づくりを進めておくことで余計な混乱を防ぐことにつながります。

数字を見るだけで終わらせない――読者が次にすべきこと

不法残留者数の統計は、制度の現状や入管政策の動向を知る手がかりになります。自分や自社の状況と照らし合わせて、まずは在留カードや在留資格の有効期限を確認してください。雇用や管理の体制に不安がある場合、また制度や手続の詳細について判断に迷う場合は、地方出入国在留管理局や専門家への相談も検討するとよいでしょう。

公式統計や出入国在留管理庁の解説資料は、数字とその意味を知るための出発点です。数字だけで判断せず、制度の定義や注記をあわせて読み、必要に応じて一次情報の原典も確認していくことが、リスクを避ける第一歩になります。

迷っている段階で、お気軽にどうぞ。

「まず何を確認すればいいか」からご相談いただけます。アークリーガル行政書士事務所が、状況に合わせて次の一歩を一緒に整理します。

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この記事を書いた人

アークリーガル行政書士事務所 代表行政書士 松元竜成

鹿児島県行政書士会所属 登録番号:第26462261号
専門分野:在留資格・内容証明・契約書・AI法務
全国対応

行政手続きの専門家として、正確で分かりやすい情報を発信しています。

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