「常勤職員」の雇用、どこでつまずく?
在留資格「経営・管理」の改正に関して、実際の相談現場でよく耳にするのが「常勤職員」の要件で手続きが止まってしまった、というケースです。新しいガイドラインを読んでも、誰を雇えばいいのか、書類のどこまで準備すればいいのか、迷う方は少なくありません。
ありがちな行き違いと実務のズレ
例えば、外国人経営者の方から「在留資格を持つ知人を常勤職員として雇いました。これでクリアですよね?」というご相談、意外と多いです。ですが、実は「どの在留資格か」「日本語能力の立証があるか」など、細かい条件があります。
基準を満たすためには、下記のようなパターンが必要です。
- 日本人または特別永住者が常勤職員として1名以上いる
- 「永住者」「日本人の配偶者等」など法別表第二の在留資格をもつ外国人を雇用し、日本語能力の立証ができる
- 法別表第二の在留資格(日本語能力立証なし)+法別表第一の在留資格(日本語能力立証あり)の組み合わせ
逆に、「法別表第一の在留資格しかいない」「日本語能力の証明を準備していない」といった状況では、要件を満たさないことになります。
雇った後、気をつけたい落とし穴
職員を雇った後も、気が抜けないポイントがあります。例えば、せっかく要件を満たして申請が通ったものの、その後常勤職員が退職してしまった場合、継続的に基準を満たし続ける必要があります。こういった「後からの更新」や「引き継ぎ」の場面で困る事業者が少なくありません。
また、雇用形態についても注意が必要です。「派遣」「請負」などの形態では、在籍していても「常勤職員」とは見なされません。雇用保険の加入や労働時間の実態など、細かな条件に引っかかることもあるので、最初から雇用契約の形をしっかり整えておくことが大切です。
「書類は1人分だけ」でも油断できない理由
現場でよく「常勤職員が複数いる場合、全員分の書類が必要ですか?」というご質問を受けます。答えとしては、少なくとも1名が基準を満たせばOKですが、誰がその「1名」になるかはしっかり確認しておくべきです。
人事異動や急な退職があった際、書類の差し替えや追加提出が求められることも想定しておかないと、次の更新や審査で慌てることになりかねません。日々の勤怠や雇用保険加入記録など、証拠となる資料も定期的に整理しておくと安心です。
私ならこうします
私なら、常勤職員の雇用契約を結ぶ時点で、該当する在留資格や日本語能力の証明書類を必ずセットで保管します。そして、退職や配置転換の可能性も考えて、複数名で基準をカバーできる体制を準備しておきます。実際、これで後からのトラブルをだいぶ減らせています。
余談ですが、制度やガイドラインは文章だけ読むと「こう書いてあるから、こうなんだろう」と思い込みがちです。でも、実務の現場では「この人は本当に常勤と言えるのか」「書類の証明力は足りるか」といった細部で躓きやすいもの。困ったときは、早めに専門家や所管窓口に確認するのがおすすめです。
専門家ができること
常勤職員の雇用要件や日本語能力の立証、書類作成のチェックなど、最初のつまずきも、後からの管理もサポートできます。現場でよく出る疑問や、実際にあった「困った!」の経験を活かし、申請からその後の運用まで一緒に整理していきます。

